音楽業界でもAIの活用が進んでいます。
AI(人工知能)とは、コンピューターが人間と同じような作業や創作を可能にするテクノロジー。
今後、音楽のみならず様々な分野でAIの活用がすすんでいくことが予想されています。
音楽産業はどんな時代でも、いち早く最新テクノロジーを導入してきました。
実はもうすでに「AI×音楽」のテクノロジーが日々、開発・進化しているんですね。
以下では、そういった音楽にまつまわるAIツールを紹介していきます!
AI×自動作曲① Music Maker
AIによる自動作曲は音楽のAI活用においてもっともアツい分野で様々なソフトが販売されています。
中でも人気なのが、その名も「Music Maker」です。
Music Makerはそれ自体が普通に作曲が可能なDAW(DTMソフト)。
自動作曲の機能が付随されており、
- 楽器
- 曲の構成
- テンポ
など、いくつかの項目を選ぶことでパッと一曲作れてしまいます。
ただ主旋律(メロディ)は生成されないようなので、そこはちょっと注意が必要です。(BGMとしては普通に楽しめそう)
Music Makerの購入はソースネクストの公式サイトからできます。
こちらの記事でも詳しく解説されているので、興味ある方はご覧ください。
参考サイト自動作曲ができる初心者用DAWの最新版、Music Maker 2019が登場。
AI×自動作曲② Amadeus Code
自動作曲ソフトは比較的にオケ(伴奏)を作るのが得意なものが多い中で、「ユーザーが望むメロディ」を生成することを目指して作られたのが「Amadeus Code(アマデウスコード)」です。
過去350年以上の「ヒット曲」のデータをセットしてあるそうです。
もちろん作業はカンタンで、
- ビートパターン(ジャンル)
- 曲の雰囲気(既存の曲から選べる)
- BPM
などを指定すると楽曲が生成されます。
実際にどんな曲ができるのでしょうか?
人の声をミックスさせたバージョンがこちら。
「350曲をインプット!」というとスゴイ数な気がしますが、AIが処理できるレベルって全然もっと多いと思います。
Amadeus Codeは2019年6月に2億円を調達しており、市場の期待も大きいようです。
まだまだ進化していくことが期待できますね。
Amadeus Codeは生成されたメロディをMIDIとして書き出せますので、他の伴奏をつくれるAI作曲ソフトと組み合わせて楽曲を完成させることも、技術的には可能のようです。
現在はiOSアプリのみでの提供。
公式サイトはこちらです。
AI×ミックス Neutron
Neutron(ニュートロン)は自動ミックスソフト(プラグイン)です。
トラックを解析して、自動で適切なコンプとEQをかけてくれます。
Neutronは2016年に発売されて以降、既にVer3までアップデートされました。
プロの評価も高く、普通に「使えるアシスタント」として作曲・ミックスの現場で普及していっています。
まだまだ職人的なミックスエンジニアさんには物足りないかもしれませんが、音楽アーティストや作曲家などクリエイティブに時間をかけたい人には、かなり力になってくれるのではないでしょうか。
ソフトの購入はこちら↓。
Neutron 3 Advanced | Rock On Line eStore
Neutron 3 Standard | Rock On Line eStore
Neutron 3 Elements | Rock On Line eStore
機能の詳しいレビューはこちらの記事も参考になります。
参考サイトオートEQと自動ミックス機能が追加されたチャンネルストリッププラグイン『Neutron 3』レビュー
AI×マスタリング LANDR
作曲、ミックスときたら次はマスタリング。
AIによる自動マスタリングにおいてはLANDRが有名です。
ただ単にAIがすぐにマスタリングしてくれるというだけでなく、大まかにマスタリングの方向性を指定できたり、アルバム全体のマスタリングもイッパツです。
8年間の研究で培った精度の高いマスタリングは、既に200万人以上が利用しているそう。
もっとも手軽なプランで月々400からマスタリングし放題で、ストレージも無限という使い勝手の良さが魅力ですね。
公式サイトはこちらです。
AI×楽器練習 Metronaut
AIは楽曲制作の現場のみならず、楽器演奏にもAIは活用されています。
Metronautは楽器を弾くと同時に、リアルタイムで楽器の伴奏を再生してくれるアプリです。
まるでオーケストラといっしょに楽器練習しているよう!
オケでなく、特定の楽器だけを鳴らして演奏の参考にもできます。
Metronautは単なるオーディオプレーヤー、というわけではなく、デバイスのマイクロフォンからあなたの演奏を聴き、そのテンポに合わせてオケや他の楽器を鳴らします。
しかもオケや楽器の音はプロのミュージシャンの演奏したハイクオリティな演奏。
自分の演奏にアプリが合わせてくれるので、練習のためにゆっくりとテンポを落として練習した入りもできます。
現在はiOSアプリのみで利用可。
毎月10分間は無料で利用できます。(月¥980で使い放題)
AI×音楽サイト作成 Wix ADI
音楽制作以外にちょっと変わったところで言うと、マーケティングツールにもAIの活用が進んでいます。
ホームページ作成ツールのWixでは「Wix ADI」というAIが自動でレイアウトを作ってくれる機能があります。
Wix ADIは、作りたいサイトの業種を選び、文言や素材を登録するだけで、AIが最適なデザインとレイアウトをチョイス。
あっという間にサイトが出来上がってしまいます!
Q&A方式で情報を登録していくだけなので、プログラミングはおろかパソコンやネットに詳しくない人でも簡単にプロ並みのデザインのサイトが作れてしまうのが強みです。
もちろん、音楽アーティストのサイト作りにも対応したデザインが準備されています。
サイト作成をスタートさせると、ちゃんと「音楽」というジャンルが指定できますよ。
ひとくちに「音楽」といっても色々な世界観があります。
WixADIでは「DJ」「ミュージシャン」「ロックバンド」など、さらにジャンルを絞り込んでいけます。
さらに「ロックバンド」の中でもジャンル分けされており、なかなか細かいです!
音楽ジャンルを選んだら、あとは「バンド名」「YouTubeチャンネル」などいくつかの項目を入力していきます。(スキップ可)
デフォルトでYouTubeとの同期が設定できるのはありがたいですね。
最後にサイトのデザイン案が3パターン示されますので、好きなモノを選びます。
以上のような作業で音楽アーティストのサイトがすぐ完成。
Wixでアカウントを作成してから、ホームページの骨格ができあがるまで、おおよそ15分程度といった感じです。
Wix ADIで特にスゴイのは画像の処理だと感じました。
例えば、バンドロゴをアップするとバンドロゴのカラーに合わせてサイト全体のカラーを変更してくれます。
さらにアーティスト写真をアップした場合には、AIが人物を自動認識して最適な位置で切り抜いてくれたり。
写真ならば色味やサイズ、文章ならば文字の大きさやフォントなどを自動調整してくれるので、いつも整ったデザインのサイトを運用することができるわけですね。
またもともとWixには
- ブログ
- メールマガジン
- ウェブショップ
- オンライン予約
などのウェブマーケティングのツールが用意されています。
整ったデザインをAIが作ってくれるので、使う方はコンテンツ作りに集中できるのも大きなメリットです。
公式サイトから今すぐ無料から利用できます。
音楽におけるAIとは?音楽マーケティングにも活用がすすむ
以上、AIを利用した音楽系のツールやソフトをご紹介してきました!
おそらく音楽産業においてAI活用はまだまだ黎明期。
今後もっと発展してくるでしょうし、AIを搭載したサービスを使うのが当たり前になってくるでしょう。
例えば身近なところでいうと、Apple MusicやAmazon Music Unlimitedなど音楽ストリーミングを使うと、視聴履歴を学習し、ユーザー好みのプレイリストを作ってくれますよね。
あのレコメンド機能にも大いにAIが活用されています。
今後は音楽レーベルがAIをオーディションに利用したり、(いわばAIスカウトマンのような)市場分析やストリーミングにおける再生数の予測など、幅広くAIが活用される見込みです。
まだ始まったばかりのAIだからこそ、ぜひミュージシャンのみなさんは今のうちに触れてみて下さい。
参考になったらうれしいです。