ご存知、国民的人気バンドGLAYから、スマホアプリがリリースされました!
これが今現在の音楽ビジネスの究極系のような気がします。
定額でGLAYの音楽、動画が楽しめるスマホアプリ!
GLAYの音楽や映像を配信する<GLAY公式サブスクリプション型音楽アプリ>がついに公開となりました。
本アプリはGLAYのデビューから現在までに発売したすべての音源(※)や、100を超えるミュージックビデオが月額制ストリーミングサービスで聴き放題&見放題となっている。
最新情報のチェックはもちろん、過去にDVD&Blu-rayにて販売したライブ映像の配信や、最新フォトライブラリー、GLAYオフィシャルFan Club「HAPPY SWING」の会報誌などのコンテンツも定期的にアップデートされる。
23年間のGLAYを隅から隅まで楽しめる、GLAYファンはもちろん新しいファンやリスナーにとっても充実したアプリが完成!
月額980円で、
- GLAYのシングル・アルバム全楽曲の配信(ごく一部のみCD限定)
- 自分だけのオリジナルプレイリスト作成
- スタッフ厳選のオリジナルプレイリストの配信
- ミュージックビデオ・過去ライブ映像のストリーミング再生
が楽しめます!
個人的にすごく良いな~と思ったのが、スタッフ厳選のオリジナルプレイリスト。
絶妙なシーン設定ですね。
プレイリスト作成者の名前が入っているのも良いなぁ。
マニアックな音楽好きなら、そうゆうプレイリスト作成者みたいな情報から新しい音楽を探したりしますよね。
ちなみに無料でも、
- GLAY最新情報(最新の活動情報、ライブ情報、リリース情報などを更新)
- PHOTO(GLAY活動写真を公開)
- DISCOGRAPHY
- PROFILE
- HAPPY SWING(オフィシャルFan Club「HAPPY SWING」会報誌を定期的に公開)
が楽しめます。
さらに今後は、
- 楽曲のオフライン再生機能
- 電子チケットサービス
- 電子書籍
- キャリア決済への対応(docomo,au, Softbank)
といった機能が追加されるそうです。
ホント実質的なファンクラブですね~。
音楽ビジネスの最終形態?アーティストをここを目指せ
音楽ビジネスは「原盤ビジネス」という強固で強力なビジネスモデルが崩壊してから、その在り方が様々議論&実験されてきました。
個人的にはこのGLAYさんの「サブスクリプション型スマホアプリ」が究極系だと思うし、また自然な流れだと思います。
ニコ動でお馴染みドワンゴ川上会長の著書『鈴木さんにもわかるネットの未来』にこんな記述があります。
コンテンツのプラットフォーム化
ネット時代にコンテンツのプラットフォームが寡占化されていく状況で、コンテンツ側はどのような戦略をとればいいのでしょうか。
もちろん、プラットフォームにできるだけ依存しないような形が望ましいわけです。
理想をいえば、コンテンツ側がプラットフォームを持つほうがいい。
コンテンツ側のプラットフォームといっても、だれかが独占するのは嫌ですから、一番いいのはコンテンツごとにプラットフォームができることでしょう。(中略)
簡単にいうと、顧客との接点をプラットフォームに依存せずにコンテンツ側が持つということです。
顧客接点の死守、これが非常に重要なポイントなのです。
逆にいうと、いまの iTunes Store や Kindle ストアにコンテンツを提供しても顧客との接点はアップルやアマゾンに独占されるだけなのです。
例えば小売りの業界なら、流通力・宣伝力のあるAmazonはコンテンツを買い叩くことが原理的にはできます。
実際に急に手数料や収益配分が変更になり泣きを見るクリエイターは定期的に出てきますね。(特にブロガーではw)
この状況はクリエイター・アーティストにとっては望ましくなく、作品の命運はプラットフォームに牛耳られた状態になります。
さらにその上で顧客情報が握られているので、大手プラットフォーム以外でビジネスを展開するのが難しくなる。
この状況を打破するために「コンテンツのプラットフォーム化」が必要だというんですね。
GLAYが試みているこのアプリもまさに「コンテンツのプラットフォーム化」だとぼくは考えます。
音楽消費の主流はiTUNES⇒Spotifyなどの音楽ストリーミングと移っていきました。
それらの大手プラットフォームもやはりアーティストに顧客情報を渡すことはありません。
SpotifyにはSNS的なフォロー機能はあれど、ライブ告知ができたり、その他のコンテンツを発信できるわけでは現状ないんですよね。
だったら、自分がSpotifyになってしまえば良い。
月額定額の音楽配信システムを自前で準備し、ファンと直接つながり、また利益も大手プラットフォームの中抜きがないため大きくなります。
…っとまぁ、そんなこと言ってもなかなかできるアーティストはいませんよね。
ところがどっこい我らがスーパースターGLAYならできてしまうわけです(笑)
アプリの開発にも何百万かかっているだろうし(何千万?)、ダウンロードしてもらって恒常的に使ってもらうのも至難の業です。
高い人気と実力のあるGLAYだからこそ、というのはありますが、ことの本質は「コンテンツのプラットフォーム化」です。
プライベーターやインディーズのミュージシャンもそのことは頭に叩き込んでおく必要があります。
実は似たような施策はイエモンもやっていました。
こちらも定額制で音楽が聴き放題と言うアプリ。
GLAYアプリはこのイエモンの例よりさらにリッチにグレードアップした感じですね。
いずれにしてもやはりコンテンツのプラットフォーム化は音楽ビジネスでは目指すべきスタイルに思えます。
インディーズでもGLAYみたいなアプリは作れる?
インディーズレベルで今回のGLAYアプリ並みのクオリティのオリジナルアプリを作るのは不可能に近いと思います。
アプリ開発ってお金かかりますもんねぇ…。
ですが、「コンテンツのプラットフォーム化」の原理をあなたの音楽活動に取り入れるのはことのほか簡単ですよ。
例えば、noteです。
noteは音楽や画像、文章を販売できるプラットフォームですが、誰でも月額マガジンを開設(認可制)することができます。
もちろん、音楽も月額マガジン内で配信できますから、利便性に違いはあれど、ほぼGLAYアプリのような使い方ができますよ。
あとは月額課金ができる決済サービスも増えてますし、ウェブサイトの一部にカギをかけてファンクラブのようにする、なんてことも結構簡単でしょうね。
っとここまで書くと、「AmazonやSpotifyは悪!」なんて読めるかもしれませんが、そうゆうわけではありません(笑)
っというのも、オリジナルアプリやnoteといった"アーティスト寄り"のプラットフォームって往々にして宣伝力や拡散力に乏しいんですよね。(0ではないけど)
ですから、大手プラットフォームで認知を拡大⇒独自プラットフォームでファンとつながる!という導線の設計が何よりも大切になってきます。
実際にGLAYも記事執筆現在でLINE MUSICのような大手プラットフォーム(音楽ストリーミング)に楽曲を配信していますよね。
こういった音楽活動のデザインについては最近書いたこちらの記事たちが役立つと思います。
ぜひ、読んでみて下さい。
GLAYアプリはこちらからダウンロードできます。
ぜひ触ってみて下さいね。
公式サイトはこちら。
以上「GLAYの全てが楽しめるアプリがスタート!これは音楽ビジネスの1つの答えだと思う」という話題でした!
参考になったらうれしいです。