バンドマンのみなさんの中には悩んでいる人も多いのではないでしょうか…。
「ライブのMC」
うまい人はうまい、でもヘタな人はとことんヘタ。
MCは格差が大きなスキルだと思いませんか?
そもそもMCってキャラクターや才能な気がして、なんだか努力しようがない。
どうやって努力したらよいかわからない。
今日はそんな状況を打破すべく「MC」について勉強してみましょう。
まずライブMCについて書かれた数少ない専門書『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』から特に重要な部分を紹介します。
次にバンドマン歴10年になるぼくが「MCとは何か?」考えます。
最後に実際にMCが上手いバンドをご紹介します。
苦手克服!
ぜひ参考にしてみてください。
『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』
この本はロックバンド、ワタナベフラワーのクマガイタツロウさんが自身のライブMC術を余すことなく紹介した本です。
興味深いところが非常に多いのですが、今日はぼくが「特にコレは重要!」と思った部分を抜き出して紹介してみます。
いや~、目から鱗でした。
①「最後の曲」から決める
まずは「そのライブで何がしたいのか。何が言いたいのか。」
を考え、それを最も表している曲を決めます。
それがそのライブでの最後の曲になります。
お客さんはそのバンドの最後の曲、一番最後の言葉が、「バンドがそのライブで言いたかったコト」として受け止めるのです。
ぼくはいつも最初の曲から考えてました!
失敗した!
最後の曲はお客さんの記憶に残りやすいんですね。
冷静に考えてみれば当たり前で、お客さんにとっては最後の曲がそのバンドの「最も新しい記憶」なわけです。
その時点が印象深ければ、逆算してライブ全体を思い出してもらえる。
全体の構成を決めなければ、どこに何のMCを入れれば良いかはわかりません。
まずは「最後の曲」を起点にして全体を決めていきましょう。
②台本は正解じゃない
台本についてですが、実際に台本におこすプロのアーティストの方もいます。
自分のライブを構成していく上で、必要だと思えば用意しても良いでしょう。
(中略)
台本を書くタイプのアーティストでも、台本に頼り切ってはいません。
ライブは生き物です。
突発的なアクシデントはいくらでもあります。
台本もライブを成功させるためのひとつの「要素」だと考えましょう。
構成を考える上で台本は強力な武器ですが、それに頼り切ってもいけないそうです。
ライブはショーであると同時に、お客さんとのもコミュニケーションでもあります。
つまり双方向性がある。
ですから、こちらの表現が一方的に正解ということの方が稀なんですね。
だからと言って闇雲にやっても積み重ねがない。
台本を作ればその日の「失敗・成功」がハッキリわかりやすくなります。
まずは台本を作ってやってみるのが、その日の結果をしっかり糧にすることにつながると思います。
③お客さんが少なくてガラガラのフロアの場合
「そうなっちまったもんは仕方ない!5人だろうがいつも通りやろうぜ!」となるのがほとんどのパターンですが、ハッキリ言っていつも通りは良くないです。
(中略)
できることならいつもより少しだけMC少なめ、一曲多めにしましょう。
バンドをやってると一度や二度あるんですよねぇ…。
キャパ100人で5人の客、みたいな。
そんな時どうするか??
上記がクマガイさんの結論ですが、これは意外でしたね。
そんな時こそ「根性だめし!」みたいなヘンなテンションになってむやみにしゃべっちゃうことの方が多い気がします。
ガラガラだとお客さんも楽しみにくい。
集客も一種のホスピタリティや演出だと考え直してがんばる必要がありそうですね。
④ヴォーカルのせいにしない
例えばしゃべってる人がめちゃめちゃスベッたとしたら、それをただ見ているのではなく、ほったらかしにするのではなく、みんなでフォローしましょう。
助け合いましょう。
これはもう喋りがうまいとか下手とかの話ではなく、その人の人間性の話だと思います。
まちがっても、スベッた事を横目で見ていて、ライブが終わった後に、
「おまえあそこのMCスベッたよな。」などと本気で責めるのはやめましょう。
これは個人的にも反省だなぁ…。
MCにおいて中心的にしゃべるのはヴォーカルであることが多いともいます。
ぼくはドラマーなのであんまりしゃべりません。
ステージの奥だし、お客さんとの距離も遠いんですよね…。
しかし!
あんまりしゃべらないポジション(ドラマー)にもできることがあったのですね。
ただ「喋る」だけがMCという訳ではありません。
相槌をうったり、拍手をしたり、楽器を鳴らしたり、それもMCのひとつ。
なるほど。
色んな方法で場の空気をつくる方法があると。
これは意識していきたいですね。
そう考えると「ボケとツッコミ」じゃないですけど、MCは1人でやるという前提なのが間違いですね。
この他にも『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』にはバンドマン必読の金言、アドバイスがたくさん載っています。
全11章、60項目にわたって「ライブMC」を語りつくしています。
後半には麒麟の田村さん、竹内義和さん、嘉門達夫さんとの対談も!
200ページほどある本ですが、読みやすい編集で普段あまり本を読まない人にもおすすめです。
1時間程度でサクッと読めちゃうので、ぜひメンバー間で貸し借りしましょう。
考察:ライブMCとは何か?
ではここからはぼくの個人的な意見も書いてみたいと思います。
これはプレーヤーというよりも、見る側として思ったことですね。
ところでみなさん、「MC」って何の略かご存知でしょうか?
MCとは「Master of Ceremonies(マスターオブセレモニー)」
日本で言うと「司会」という意味です。
ぼくは結局、これが全てだと思っています。
っと言うのも、MCを単なるトークだと思っている人が多いですよね。
だからむやみやたらと笑いを取りにネタ話に走る傾向がある。
「トーク」と「司会」は似て非なるもの。
司会=MCは全体の流れを円滑に進めるためのものです。
突き詰めれば、結果的に笑いが必要ない場合もあるはずです。
つまり翻って「上手なMC」をするにはバンドの世界観をよく練らないといけない、ということになります。
これには相当時間も手間もかかりますよね。
もう「がんばってください」言えません(笑)
しかし、その意味で具体的な努力の方法として①「最後の曲」から決める、は重要だと思います。
「右も左もわからない…!」という場合にはまずはそこから初めてみてはどうでしょうか?
MCが上手なミュージシャンまとめ
百聞は一見にしかず、ということで最後にMCが上手なミュージシャンをご紹介します。
①THE☆バリュー兄弟
www.youtube.comTHE☆バリュー兄弟は友人ですが、そのMCやステージングはホントにスゴイいんですよ!
まず30分のステージに大量のネタが仕込んであるのがすごいんですが、中でもベースのコメさんのMC力はすばらしいです。
全部見てもらえれば「MCは司会」というのが理解してもらえると思います。
②さだまさしさん
www.youtube.comさだまさしさんと言えば知ってます!?
MCが上手すぎて「MCだけのCD」をリリースしてるんですよ!!
上手すぎて逆に参考にならないかもしれませんが(笑)、いつまでも聞いてられるやさしくて楽しいMCです。
③ワタナベフラワー
www.youtube.com最後に『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』の著者クマガイタツロウのバンド、ワタナベフラワーもご紹介しておきます。
なんと本のYouTube版も更新されています。
クマガイタツロウのおまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書 Web TV - YouTube
本と共にゆっくり見てみて下さい。
MCは「これだ!」というスタイルを見つけるのがとても難しいですよね。
だからこそ経験と勉強は大切です。
ぜひ今回ご紹介したものを参考にMC力をアップさせてくださいね!
またMCに勝るとも劣らず重要なライブ演出である「照明」「衣装」などについてもこちらの記事でまとめてあります。
カッコいいライブをするためにもぜひご覧ください。