音楽活動をされているアーティストの方で、
「自分のファンクラブを作りたい!」
と、思ったことはありませんか?
ロックバンドやアーティストの運営を考えたとき、近年はファンクラブの重要度が高くなってきました
やはりCDが売れない時代。
ファンと密接な関係をつくることが重要なんですね。
ファンクラブと言うと、アマチュア~インディーズのミュージシャンには設立が難しそうなイメージがあります。
しかし、昨今では安価なサービスで誰でもファンクラブのようなコミュニティをつくることができるんですよ!
ここではインディーズで音楽活動をしているミュージシャンや、同人活動をしている作曲家の方などが自分のファンクラブ的コミュニティをつくれるサービスをご紹介していきます!
会費無料のファンクラブが作れるサービス2選
まずは会費を必要としないファンクラブです。
ファンにとっては最も気軽に参加できるのがこのタイプとなります。
逆に言うと、アーティストにとってはこれだけでマネタイズするのが難しいのが以下のサービスです。
①メルマガ
ファンクラブのようなクローズドなコミュニティを作れるサービスとして代表的なのがメルマガです。
メルマガを発行できるメルマガ配信スタンドは数々ありますが、個人的におすすめできるのはMail Chimp、める配くん、まぐまぐの3つ。
それぞれ無料から使え、
- Mail chimp⇒12000通まで無料で高機能だが英語のサービス
- める配くん⇒500通まで無料で高機能
- まぐまぐ⇒無料でシンプル機能
という特徴があります。
メールの利用者は世の中的に減ってきていますが、HTMLメールの表現力やステップメールの便利さなど古くからある分、マーケティング手法は確立されていますよね。
各おすすめメルマガスタンドの特徴は以下の記事にもまとめてあります。
合わせて読みたい
②LINE公式アカウント
メールの利用者が減っていて何が増えているかというとLINEですよね。
LINE公式アカウントはLINE版メルマガと言えるサービスです。(旧名称LINE@)
メルマガのようにフォロワー(読者)に一斉送信できるほか、通常のLINEように1対1でメッセージをやり取りすることができます。
そのためファンの方と距離を縮めやすいのが特徴ですね。
2,000メッセージまで無料で使うことができます。
LINE@の詳しい説明はこちらの記事をどうぞ!
合わせて読みたい
会費を無料 or 有料で選べるサービス4選
続いてコンテンツごとに無料で公開するか、有料で販売するかを選べるサービスをご紹介します。
まずは無料ではじめて、ファンが増えてきたら有料というフレキシブルな使い方ができます!
①Medy
Medyはニュースレターサービスです。
ニュースレターとはつまりメルマガのことですが、より宣伝よりもコンテンツに重きをおいたものを「ニュースレター」と呼びます。
Medyは誰でも無料でブログ&ニュースレターの開設が可能!
開設に審査もなく、今すぐ誰でも利用開始できます。
Medyは公開ニュースレター(ブログ)と有料サブスク会員しか読めない限定ニュースレターとを、柔軟に選択することができます。
だから前述したメルマガ配信サービスのように、完全無料のコミュニティとして運営するのも可。
もちろん、ファンが増えてきたら収益化も挑戦したいですね。
収益化の方法は、
- サブスクリプション(=月額会員向け発信)
- 販売(=売切・単発での商品出品)
- チップ(=記事に対する応援・感謝)
とあり、柔軟にマネタイズへと踏み切ることができます。
有料コンテンツにした場合の販売手数料は10%と、後述するnoteよりも安いので使いやすいですね。
②LITEVIEW
LITEVIEWは、このサービスひとつで、
- ウェブサイト&アプリ
- 写真集・ブログ
- ラジオ・音源
- 動画・ライブ配信
- 物販(ECサイト)
- オンラインイベント
- オンラインレッスン
など、あらゆるデジタルコンテンツを配信できるサービスです。
そしてそれらのコンテンツに対して、
- 無料
- 月額制
- 年額制
- 個別課金
- チケット制
- レンタル制
- クラウドファンディング
と、さまざま課金スタイルを組み合わせることができ、まさにクリエイターエコノミーの決定版と言えるでしょう。
また料金は「販売手数料」というカタチではなく、シンプルな月額制です。
無料プランがありますので、想定されるパトロンが未知数の場合は、ぜひ無料から始めてみるとよいでしょう。
気軽に本格的なファンクラブを運営できるツールです。
③note
noteは「コンテンツを販売できるSNS」といった感じのサービスです。
フォロー機能があり、フォロワーにむけて無料コンテンツか有料コンテンツを選んで販売できます。
もちろん音源も配信・販売できますよ。
「マガジン」という機能があり、コンテンツをひとまとめに連載することもできます。
月額課金型のマガジンを作ることができ、まさにファンクラブのような使い方ができますね。
利用は全て無料でランニングコストはかかりません。
コンテンツが売れた際に手数料が15%~20%かかる仕組みです。
noteについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい
④BASE
BASE は誰でも無料でネットショップが開設できるサービスです。
拡張機能である「コミュニティApps(無料)」を追加することで、自分のショップにコミュニティ機能をつくれます。
コミュニティAppsを使うと、
- メンバー限定商品の販売
- 会員限定のURL共有
といった機能を使うことができるようになります。
会費は無料 or 有料を選べますので、ファンクラブとしてマネタイズすることも、無料コミュニティとして運営することもできます。
有料コミュニティ(ファンクラブ)にした場合の手数料がたった5%なのもメリット。(95%が利益になる)
何よりネットショップですから会員に商品を直接販売できるのが強みです。
コミュニティ機能を使わないにしても、もはや音楽活動にネットショップは必要不可欠ですから、ぜひBASE は導入しておきたいサービスですね。
合わせて読みたい
有料のファンクラブが作れるサービス
最後に会費が有料のファンクラブを作れるサービスをご紹介します!
もっとも本格的なファンクラブ作成サービスと言えるでしょう。
①CAMPFIREコミュニティ
クリエイターが創作資金を募れるクラウドファンディングのCAMPFIREからファンクラブ形態のサービスがリリースされています。
「CAMPFIREコミュニティ」は、月額500円から会費を設定してファンクラブを設立することができるサービスです。
会費無料のファンクラブを作ることはできませんが、誰でも観覧可能な無料コンテンツを発信することも可能です。
ファンクラブの設立に初期費用や月額費用は掛かりません。
集まった会費から10%の手数料が差し引かれるだけです。
同じファンクラブ内でも500円のプラン、1000円のプラン、3000円のプランなどと複数の料金形態のプランを作ることも可能です。
CAMPFIREコミュニティは本格的なファンクラブサービスながら、安い手数料が魅力のサービスですね。
②pixiv FANBOX
pixivは同人活動を支えるサービスを多数提供しているサービス。
2018年の4月にファンクラブ型のクリエイター支援サービス「pixiv FANBOX」をリリースしました。
pixivはマンガ・イラストなどの同人作家さんがメインで活動しているイメージがありますが、ミュージシャンも使うことが可能です。
CAMPFIREファンクラブと同じく複数の金額のプランを提供することができます。
手数料は決済手数料が5%、サービス利用料が5%かかります。
既にpixivのサービスを使って活動している人は導入を検討したいサービスですね。
③Enty
Entyもファンクラブが作れるサービスですが、ユニークなシステムを導入しています。
クリエイター側の手数料は5%~10%と、招待キャンペーンによって変動する仕組みになっています。
また、ファンにとっても「クリエイター紹介キャンペーン」や「クーポン獲得キャンペーン」などのインセンティブが用意されていますね。
クリエイター紹介キャンペーンは新たなファンを紹介することで登録した人/招待した人に最大1000円がプレゼントされるキャンペーンです。
クーポン獲得キャンペーンは15コの投稿にいいね!するたびに利用料10%オフクーポンが貰える抽選ができるキャンペーンです。(いづれも記事執筆時のキャンペーン。終了する可能性があります)
サービスの風土としてミュージシャンは少ないですが(っというかR18が多いですねw)なかなか魅力的なサービスだと思います。
まずは無料のファンクラブがおすすめ!
以上、9つの選択肢をご紹介しました!
どれを使うべきかはそれぞれの音楽活動に違うわけですが、まずは無料のファンクラブから作ってみるのをおすすめします。
「あなたのバンドがライブ集客に失敗する理由とその改善方法」で紹介したこの図を思い出してみて下さい。
まだ見ぬ人=潜在顧客にアプローチするためのツールがSNSやブログでした。
そして一度でも音楽を聴いてくれた準見込み客へ向けたツールがホームページとYouTube。
ではファンクラブは?と言うと、この図だと無料のファンクラブは見込み客むけ、有料のファンクラブは顧客向けということになります。
まずは有料のファンクラブを作る前に無料のファンクラブを作ってみてほしいんですね。
もちろん「有料のファンクラブは作っちゃダメ!」というわけではありません。
ただ、音楽活動が失敗しやすいのはこのピラミッドを丁寧に作れていない時なんです。
何度かあなたやあなたの音楽を体験してくれた見込み客と繋がる無料のファンクラブの充実が、有料のファンクラブの成功には欠かせません。
しっかり段階を踏んで活動をデザインしてみて下さい。
ファンクラブでは配信するコンテンツは限定・希少・優先
ではファンクラブが出来上がった後でどんなコンテンツを配信したら良いのでしょうか?
それは限定的で希少性があり、ファンクラブ会員が優先的に受け取れるコンテンツです。
小難しいですね(笑)
要はこういうことです。
- 限定⇒数に限りがある。(100人限定ライブ)
- 希少⇒ここでしか手に入らない。(YouTubeでは聞けないレアスタジオ音源)
- 優先⇒どこよりも早く。(リリース情報はSNSより先にお知らせ)
これを意識することにより、ファンはよりファンクラブ会員になるインセンティブ(動機付け)が強まります。
また「距離感」も大切です。
特にLINEやメール(ニュースレター)のようなプライべートツールの場合、親近感を抱きやすいです。
普段アーティストとして近寄りがたい雰囲気がある人もファンクラブではちょっと人間味のある投稿をしてみても良いかもしれません。
(もちろんキャラクターしだいですが)
少なくとも、あなたのことをもっと知りたいと思ってファンクラブに参加してくれています。
サービス精神をもってコンテンツを作っていきたいところですよね。
以上が「ファンクラブの作り方!ミュージシャンの音楽活動で使える作成サービスまとめ」でした!
参考になったらうれしいです。
ぜひあなたの音楽活動のピッタリのファンクラブを作ってみて下さい!
【余談】バンドのオリジナル公式アプリはおすすめできない
6つの選択肢には含めませんでしたが、実はバンドのオリジナルスマホアプリをつくるというアイディアもあります。
スマホの中に常にバンドのアプリがあったら、ファンもバンドを身近に感じられ宣伝効果がありそうですよね…?
しかし!
これがなかなかハードルが高かいんですよ。
こんな調査があります。
マーケティングリサーチ会社の株式会社マーシュは、20~69歳の男女を対象とした「スマートフォンアプリに関するアンケート調査」を実施し、その結果を3月27日に公開しました。
調査日は2017年2月9日~2月13日で、同社が運営する「D STYLE WEB」のアンケートモニター会員を対象に実施しました。
結果、「スマートフォンに入っている自身でダウンロードしたアプリ数は、「4~6」が最も高い」ということが明らかになっています。
こちらがデータです。
- 1~3・・・13.3%
- 4~6・・・18.5%
- 7~9・・・12.2%
- 10~14・・・17.9%
- 15~19・・・7.8%
- 20~24・・・7.5%
- 25~29・・・2.8%
- 30以上・・・11.0%
- 「自分でダウンロードしたアプリ」は入っていない・・・9.0%
さらに読み解くと44%の人が9コ以下となります。
仮に10コ以下とすれば50%近くになりそうですねぇ…。
バンドで公式アプリをつくったら、まずこの「9の牙城」を崩さなければなりません。
ゲームや乗換案内、メモ、クラウドストレージなどは誰もがダウンロードするところです。
実際、エンタメ系アプリをダウンロードする「枠」はもっと少ないと思って良いでしょう。
また、IT系の会社に勤めている友人に聞いた話ですが、人が日常的に使うアプリはだいたい9コだそうです。
(出典不明で申し訳ない!)
9コと言っても、LINE、Google、YouTube、Instagram、Facebook、twitter、Amazonなど定番アプリを挙げていっただけでも8コになります。
やはり、ユーザーの定番アプリになるにはかなり熾烈な競争をかつ抜く必要がありそうですね。
以上の情報から読み解くと、日常的にバンドの公式アプリは作っても、ダウンロードしてもらうのも、使ってもらうのもかなり難しいという現状がわかると思います。
その上でスマホアプリ作成サービスは、ぼくの調べたところでは、なかなかランニングコストがかかるんですよね…。
ライバルの大里コスパを考えても、なかなか効果的にはならないんじゃないか?
と、いうのがぼくの現時点での結論です。
以上「ファンクラブの作り方!ミュージシャンの音楽活動で使えるサービスまとめ」でした。
参考になったらうれしいです。