いや~、さすがハイスタ!
COOLですね!
Hi‐STANDARDのニューアルバム「My Gift」のマーケティングが話題に
ハイスタが18年ぶりのアルバムを発売したのですが、その一連のマーケティングがサプライズに次ぐサプライズ!
時系列で整理してみましょう
①2016年10月4日 シングル「ANOTHER STARTING LINE」を事前の告知、一切なしにゲリラ販売
まずはここから始まった…!
14年ぶりのCDがまさかの一切の宣伝活動なしにいきなり店頭に並ぶというサプライズ!
これにびっくりしたファンは次々にSNSにその様子をアップします。
まじかよ!!!!!!!
タワレコきたら!!!!!!
ハイスタ!!!!!!!
フューーーーーーーー!!!!!!! pic.twitter.com/Jk3Znap0iC
— すあま Mrs.WiENER (@suama408) 2016年10月4日
もんげー!タワレコ行ったらハイスタの新譜が売ってたずらー(((o(*゚▽゚*)o)))#Hi-STANDARD#ハイスタ pic.twitter.com/3233ulrLux
— まーらいおん (@matafume) 2016年10月4日
ファゥ!?ハイスタCDってまじかよ!!?俺に言えよ!?ってかまじかよ理解不能。。。 pic.twitter.com/0G5lYq6G8Z
— Life is PARTY(ナガタ) (@naga_ta49cc) 2016年10月4日
結果的に大きく話題となり、シングルはハイスタ史上初のオリコンシングルチャート1位になりました。
②2017年7月13日 全国各地に設置した看板でアルバムの発売を告知
今年に入って、アルバム発売がアナウンスされますがそれもまウェブや電波を使わないアナログ告知。
全国の看板にて発表されました。
やはりSNSで話題になります。
大阪でハイスタの看板2つ見つけた!
今年アルバム出るんかーかっけーなーハイスタ! pic.twitter.com/3Qa5VnTDN0— モモタロス@PAP4KINTV (@PAP4KINTV) 2017年7月28日
嘘でしょ?ってくらい地味な場所でハイスタの看板発見した。 pic.twitter.com/e9uuZhMeGs
— 火村ドリル号 (@Drella123) 2017年7月29日
街撮り(気ままに写真撮ってます)211
お題「ハイスタンダード」
コメント...炎天下の移動中、まさかのハイスタ看板。意表を突く場所に...急にダルさがとれて元気になった。ありがとう看板屋さん😊 pic.twitter.com/ACVHcsMi2K— hiro C (@mikio696) 2017年7月31日
③2017年 9月18日 リリースする新作アルバム「THE GIFT」より、表題曲のバンドスコアが、東京・渋谷駅および大阪・梅田駅に出現
収録曲の音源解禁に先駆け、渋谷駅と梅田駅の壁一面に張り出された巨大バンドスコアが
「これは君へのギフト。」というHi-STANDARDからのメッセージが書かれている。
もうここまでくると恒例行事のように沸き立つネット!
梅田でハイスタの新譜の看板見てきた!
ほんとにあってテンション上がった!#playthegift pic.twitter.com/5RCAcDO7c1— R.N (@skrrkrkk) 2017年9月18日
ハイスタの看板面白い!バンドスコアが全部載ってる pic.twitter.com/Hgp7L5L8ya
— コウイチ (@rbkouichi) 2017年9月19日
④2017年9月21日 期間限定で楽譜をコンビニでネットプリント
3日後にはコンビニで全国のロックキッズたちが楽譜をゲットできるように。
田舎のロックスター候補性も大興奮でしょうね~。
⑤2017年10月3日 アルバム発売と同時にDVD「AIR JAM 2000」をゲリラ販売!
さらにアルバム発売時にもサプライズ!
店頭にはアルバムと一緒にDVDも並べられました。
今回、いきなり店頭に現れた「AIR JAM 2000」のDVDは、活動休止前最後に出演したフェスの映像を収めたもので、これまでVHSでしか発売されていませんでした。
(※収録されているのはハイスタの映像のみ)
ハイスタのアルバムをフラゲしに行ったらAIRJAM2000て書いてある、見たことのないジャケットのDVDが一緒に陳列されてたんだけど。
そして店頭で震えてるんだけど。 pic.twitter.com/7alGFDAOQd— Rin (@sailin_DA_brah) 2017年10月3日
やば!
アルバムだけ楽しみにTSUTAYA行ったら店員さんが申し訳なさそうに「これもあるんですけど・・・」ってAIR JAM2000のハイスタのDVDだしてくれた!!!!
これも告知は出来ないんですけど・・・って、ハイスタのサプライズのクセがつよい!#ハイスタ#AIRJAM pic.twitter.com/zOM8ozV5ad— Atsushi Koizumi (@kkkkats) 2017年10月3日
⑥アルバムもあけてもまたサプライズ!
さらにアルバム購入者には表題曲「The Gift」を収録したサンプラーCDが先着で配布れます。
ジャケット裏側には「あなたの大切な人にこのCDを渡して下さい」という言葉が。
Hi-STANDARDのニューアルバム「The Gift」買ってきました!
限定のギフトCDとポスターもGETしてきましたよ(^o^)v
同時に発売されたDVDは売り切れだったので予約してきました。しばらくは聴き込みたいですね~(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑#ハイスタ pic.twitter.com/gcmMETGN2y
— Keigo (@keigo_0609) 2017年10月4日
Hi-STANDARD の新譜を買うと表題曲が収録されたCDが付いてきました。裏には(2枚目参照)こう書かれてます。俺は誰にプレゼントしようかな?考えちゃうなぁ〜〜。それはスマホの前のあなたかも?(知らんけど)#ハイスタ #thegift pic.twitter.com/proqoFqXa7
— m@co (@DJmaco14) 2017年10月3日
ハイスタマーケティングの特徴は?ファンを喜ばせる!
この一連のマーケティングを眺めてみると、
- サプライズがある
- アナログである
- Giftというテーマにのっとっている
といった一貫性が見られます。
ではこの条件だけ満たしていれば、誰でも口コミマーケティングになるのでしょうか?
いやいや、そんなはずはない。
ハイスタの成功を後押ししたのはファンとの「絆」だと思います。
メンバーはファンが「どうやったら喜んでくれるだろう?」と必死に考えた。
そしてファンはそれを正面から受け取っただけ。
そして、"それ以外はやらない"ことで、さらにファンの心に火が付き、それが現代のSNSという舞台で広まっていったのです。
「SNSでバズらせるにはどうしたら良いのだろう?」と逆算した結果でははず。
もし、そこから発想したらメンバーが「踊ってみた動画」にチャレンジするなどして、コアファンは幻滅したかもしれません。
(それはそれで見たい気もするが(笑))
無粋ですがあえて、「ターゲット」という言葉で言えば、
- CD不況の現代でもタワレコに足を運ぶコアなインディーファン
- バンドをやっているロックキッズ
- 20年近いハイスタのコアファン
に徹底して刺さるマーケティングを全力でやった結果でしょう。
そして、それをやったハイスタも、ハイスタを好きなファンもぼくはとてもカッコいいと思いました。
ファンが主役の時代。認知より人気の時代
現代は認知より人気が大切な時代だと感じます。
整理すると、
- 認知=知ってる人の数
- 人気=好きな人の数・熱量
です。
突然ですが、みなさんが「はじめて買ったCD」は何ですが?
実は初めて買ったCDの、その中身のアーティストのコアファンだと自信をもって言える人は少ないと思います。
「そこまで好きじゃなかったけど、流行っていたからかった」や「この一曲だけは気に入ったから」という人も多いのではないでしょうか?
昔は音楽を手に入れる手段がCDぐらいしかなかったんですね。
(ラジオを一生懸命録音した!とかは置いといて…(笑))
名前を知ってもらって少し良いな~と思ってもらえれば、CDが売れた。
つまり「認知」が数字に直結した時代です。
その認知の中でいくらかの人は本当のファンになり「人気」が増えるといった構図でした。
今はまったく逆ですね。
認知を数字に買えるCDという魔法がなくなりました。
しかし、ハイスタのように真に人気のあるアーティストなら、今回のように口コミで大きな話題となり、結果的に「認知」までゲットできるようになったのです。
事実、ツイッターでは連日トレンドに「ハイスタ」が入っているのを目にしましたし、後追いでマスメディアも報道していくでしょう。
実のところ、国民的アイドルといわれるAKB48も人気から認知を得たタイプだと思います。
- 圧倒的熱量を持つコアファンをつくる
- 握手券、投票権付きというCDでオリコンをハックする
- オリコン首位
- テレビは取り上げざるを得ない
- 認知が広まる!
これは多くのアーティストにとって喜ばしい環境だと思います。
なぜなら作品とその作品を評価してくれる人ありきだからです。
つまり頑張っている人が報われる、という環境に近いと個人的には感じています。
ハイスタのマーケティングはたしかに秀逸でした。
規模も大きいし簡単に真似できないことです。
しかし、本当に真似すべきなのは
- 力強い作品と
- ファンを喜ばせる姿勢
です。
これは全てのアーティストにとって手本であると言えます。
あらゆる常識を排除して、真にファンの心に届く「作品」と「届け方」を考えましょう!
今回のハイスタの事例を見て、個人的には「届ける」ことも、アーティストの想いや思想が反映される「芸術」になりつつあるなと感じました。
「マーケティング」も「アート」の時代へ。
そんな近未来のハイなスタンダードを予感させる出来事でした。