どうも星川(@Soh_RundabanSP)です。
良いドラマーの条件ってなんだと思いますか?
かの有名なYMOの高橋さんはこんなことを言っています。
【ドラムのセンスを磨くには練習よりも恋愛ですよ。】高橋幸宏(YMO)
— drummer_bot (@drummer_bot) 2015, 7月 16
意味わかりますか?w
ぼくはこれに深~い意味があると思うんですよ。
一冊の本を読んでそれが確信に変わりました。
ドワンゴ川上会長の著書『コンテンツの秘密』です。
コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書 458)
音楽にしても、ブログにしてもクリエイターの端くれとして活動している自分にとっては興味津々の内容。
コンテンツという言葉を再定義し、そこからクリエイターとはなにか?
さらには天才とはなにか?
を解き明かす内容になっています。
たしかに本書にはコンテンツとクリエイターの秘密を明らかにすることに成功しています。
しかし、大切なのはそれを受けて僕たちクリエイターはどうすべきか?
と、いうこと。
気になった言葉を紹介しながらさらにその点を考えてみたいと思います。
人はコンテンツに「情動」を求めている
人間が好む究極のコンテンツとは、本能である食欲や性欲に結びついたものであると言えるかもしれません。
冒険にわくわくしたり、悪事に怒ったり、主人公に同情して悲しくなったりと、ユーザーの情動をいかにかきたてるかは、コンテンツの評価の重要な尺度になるでしょう。
ユーザーの情動とは端的に「感動」などと言われることがありますね。
コンテンツとは、それを媒介にユーザーの脳の中に再現されるイメージが、人間の情動と結びついていることが重要であると。
そこで、さらに重要になってくるのがクリエイター自信がどのくらい「情動」を理解しているかということです。
これをドラマーであるぼく自身に置き換えて考えてみます。
「コンテンツ」=「音楽」と置き換えることも十分可能ですので、そのように考えていただければと思います。
ヘタでも気持ちのいいドラマーとは?
ドラムの世界では早くから機械による音楽制作がはじまっていて、人間よりも正確なリズムが生まれています。
しかし、そうなると逆に人間にしか出せない独特のグルーヴも評価されているんです。
正確に言えば「どうせ人間が叩くなら個性のあるグルーヴが求められる」ということです。
正確さは機械には敵わないわけですから、当たり前と言えば当たり前ですね。
そんな中、現れたのが「ヘタでも気持ちのいいドラマー」という存在です。
技術的には普通か、それ以下。
しかし、聴いていると気持ちのいいグルーヴを叩きだす。
そんな人たちが評価されているんですね。
当然「ヘタでも気持ちのいいドラマーはどうやってできているのか?」という疑問がわいてきます。
その秘密まさに『コンテンツの秘密』と一緒なのです。
恋愛(情動)はロボットに理解できない
【ドラムのセンスを磨くには練習よりも恋愛ですよ。】高橋幸宏(YMO)
— drummer_bot (@drummer_bot) 2015, 7月 16
この言葉、一見するとタダの冗談に見えますが「ドラマー(クリエイター)が情動を理解する重要性」を語っているのです。
繰り返しになりますが『コンテンツの秘密』によればコンテンツがユーザーの脳の中に再現されるイメージが、人間の情動と結びついていることが重要だとわかりました。
ドラム(音楽=コンテンツ)がユーザーの情動を目標に作られる以上、ドラマーが情動を知っていなければ、いくら技術があってもその目標に到達することは不可能です。
「ヘタでも気持ちいいドラマー」はこの情動を良く理解しているドラマーである。
と考えられます。
ドラムの場合、ユーザーの情動に訴えかけるのに必ずしも高度な技術はいらなかったりします。
いうまでもなく「恋愛」とは情動を学ぶのに最高の教材なわけです。(性的な意味も含めて)
練習<恋愛ではない(笑)
とはいえ練習しないとダメです(笑)
そしておそらく情動を学ぶのは恋愛だけではないでしょうし。
しっかりと脳内のイメージを音やグルーヴにするには技術が必要です。
本書では言及されてませんが、宮崎駿さんにしても、高畑勲さんにしてもおそらく凄く努力をして「画」を描いているはずです。
つまり優れたドラマー(クリエイター)に必要なのは
- 圧倒的な練習量と
- 情動を経験できる恋愛のような人生経験
と言えます。
こう結論づけるとなんだかクリエイターとは楽しそうです(笑)
まぁ、この2つを楽しめない人は向いてないのかもしれませんね。
コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書 458)
こちらの記事でもバンドマン×恋愛について書いています。
気になる方は読んでみて下さい。
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