レコーディングでクリックを使うべき?使わないべき?
バンドマンのみなさんはいざレコーディングをしようとなった時にきっと悩むと思います。
ぼくは「ほとんどの場合クリックを使ってレコーディングすべき」と思っています。(クリックとは電子メトロノームのこと)
ドラマー目線が強いかもしれませんが、参考にしてみてください。
特に初めてレコーディングをするという方にはぜひ読んで欲しいと思います。
レコーディングでクリックを使うべき2つの理由
①レコーディングスケジュールがバラバラでも安心
まとまった予算と時間がとれないバンドだと、それぞれの楽器を別日にレコーディングすることが多いですよね。
- ドラムとベース⇒初日、2日目
- ギター、ヴォーカル⇒翌週の3日目、4日目
など、特に仕事をしながらやっているバンドはこんなスケジュールになりがちです。
この別日レコーディングでそれぞれの演奏のテンションを合わせるのは至難の業です…。
ギターやヴォーカルを聞けない状態でドラムを録音すると、ついついハシッたりモタッたりしてしまいます。
そのヨレヨレの音源にウワモノを重ねるのはギタリストやヴォーカリストからするとさらに難しい。
結果、クオリティの低い音源ができてしまします!
別日レコーディングする場合はクリックという客観的な指標を用いることで、その日の体調やテンションに左右されない安定した演奏を録音することができるわけです。
②パンチインしやすい
こんなことぶっちゃけて言うのもどうかと思うんですが(笑)クリックがあった方がパンチインしやすいですよね。
パンチインとは「ここ一箇所だけ間違えちゃった!」とかそんな場合に手直しする作業です。
この作業は当然、クリックがあった方がやりやすい。
結果的にクオリティの高い音源をつくりやすくなると思います。
クリックなしレコーディングをおすすめしない2つの理由
「クリックなし一発録りの方が普段のスタジオやライブの環境と似ているからやりやすい!」
と思う方は多いのですが、ぼくは個人的にはやっぱり「クリックありのバラ録り」をおすすめします。
そもそもレコーディングの難易度としてバラ撮り>一発録りだと思うんですよ。
①他人の演奏に合わせることは難しい
ドラムにとってクリックって
「動かない的」
みたいなもんじゃないかな。最低限「動かない的」に当てる技術がないと「動く的」には当てられない。
「動く的」とはつまりバンド演奏。
— 星川崇 (@Soh_RundabanSP) 2018年3月7日
前提としてクリックにも合わせられない人が他人の演奏に合わせられるハズはありませんよね。
だっていっさいぶれない超正確なモノにすら合わせて演奏できないんです、
ハシッたり、モタったりする人間の演奏にあわせるのは無理でしょう。
しばしばクリックに合わせて演奏できないから一発録りを選択するバンドがいます。
しかしそれでは前提条件が間違っていますから、良い音源を作るのは難しいと思います。
もしバラ撮りより一発録りの方が簡単だという認識があったら、まずはクリックに合わせて個人で基礎練習をするのをおすすめします。
ドラムだとチェンジアップなどですね。
関連記事ドラムの基礎練習「チェンジアップ」のポイントとか注意しているところ
②お金がかかる
一発録りの方が時間が短くなりそうなので予算がかからないと思われてがちですが、そうでもないんですよ?
例えば、一発録りでも後からパンチインすることを想定すると、音カブリを防ぐためにそれぞれのアンプを別のブースに置く必要性が出てきます。
ブースのたくさんあるレコーディングスタジオは、やはりその分料金がかかりますから予算を圧迫しますよね。
バラ録りだとドラムだけレコーディングスタジオで、その他はDTMでレコーディングなんて選択肢もでてきます。
自宅にDTM環境がある人はほぼタダでレコーディングできますよね。
ギターのライン録音を嫌うバンドマンは多いですが、意外と侮れません。
フラワーカンパニーズのヒット曲「深夜高速」も実はギターをライン録音したらしいですよ?(初期版)
深夜高速はご存知の通り、多くのファンやアーティストに愛される名曲として有名です。
自宅でDTMならどうせタダですし、ぜひライン録音にも挑戦してみて欲しいと思います(笑)
③ミックスしやすい
ブースを分けない一発録りの場合、必ず音カブリ(ドラムのマイクにギターの音が入るなど)が発生します。
するとどうしてもミックスの段階でできることが少なくなりますよね。
録る段階で、帯域や音量をしっかり計算しないといけません。
演奏面でも音色の面でもググっと演奏者に比重がかかるのが一発録りの難しさですね。
どちらにせよグルーヴで悩む…
そんなわけで、レコーディングにはクリックを使おう!という話でした。
実はクリックを使ったレコーディングの方が初心者には簡単だしクオリティが上がる可能性が高いということが伝わったらうれしいです。
まぁ、でもクリック使えばオールオッケーではなくてテンポ以外の部分で悩むんですよね…。
ぼくも今レコーディングに向けて練習中で、BPM140の8ビートの曲があるんです。
この曲を演奏するときにクリックを4分でならすか、8分でならすかで全然グルーブが違ってくる…。
8分でならすと右手、ハイハットに綺麗に音が重なってタイトに演奏することができます。
でも、今回の曲は若干ルーズな雰囲気が欲しいので4分でならすことに決めました。
他にもBPM139で8分でならすとかの選択肢もあったんですけどね。
う~ん、難しい!
でもこれが楽しんですけどね(笑)
以上「レコーディングではクリックを使うべき」という話題でした。
参考になったらうれしいです。
クリックの有無に関わらず、レコーディング方法については悩みますよね。
バン活!的におすすめの方法はこちらの記事で紹介していますので合わせてご覧ください。