SpotifyやApple Musicなど音楽ストリーミングが全盛の中、CDの売れ行きは下がり続けています。
ところが一方、CDではない新しいパッケージが登場しているんですね。
モノとしての価値や、手に触れられることを大切にする人は必ずいます。
さらにパッケージそれ自体をアートとして、エンタメとして捉えることもできるしょう。
作り手として見ると、CDよりも安価に製造できるアイテムもあり、リリースの選択肢に取り入れる価値はあると思います。
そこで以下では、4つの「CD以外のフィジカルパッケージ」をご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
カードタイプでダウンロードが可能な「CONCA」
concaはスマホに楽曲をダウンロードできるQRコードがついたカードです。
「ダウンロードカード」を製造できる会社はいくつかあるのですが、concaが最も利便性が高いですね。
iPhoneでもandroidでもダウンロードが行えますし、ダウンロード時に会員登録なども一切必要ありません。
ですから、買ってくれたお客さんにとってはとても便利なんですね。
concaは1ファイル3GBという大容量ファイルが登録可能。
さらにファイルの差し替え、追加も可能だそうです。
料金は定番の「カードプラン」で100枚 ¥15,800(税込)からと安いです。
ダウンロードカードはただ単にCDの代替えとして販売するだけでなく、Tシャツなどのバンドグッズと一緒に販売したり、書籍の付録としてつけることもできます。
あるいは無料で配るのにも適していますよね。
導入事例がconcaの公式サイトで紹介されていますのでご覧になってみて下さい。
缶バッチ+音楽プレイヤー「PLAY BUTTON」
PLAY BUTTONは缶バッチ型の音楽再生プレイヤーです。
ヘッドフォンを差し込めば音楽を聴くことができます。
購入者が中の音楽を書き換えたりすることはできず、その音楽専用のPLAY BUTTONになります。
実は2013年ごろから活用されているパッケージで、J-POPアーティストがPLAY BUTTONで音楽を販売していたりします。
(限定販売のようで値段が高騰しがちw)
個人的にこのパッケージには未来を感じますね。
ぼくもスマホで音楽を聴くことが増えましたが、どうしてもその他の情報に邪魔されちゃって音楽に集中できないことがあるんですよね。
LINEの通知が来たり、ついついTwitterが気になったり…。
スマホから独立した音楽パッケージというのは実は需要があるのではないでしょうか?
またこのテクノロジーを進化させれば、あらゆる「音楽付きアクセサリー」を作ることが可能でしょう。
例えば「音楽付きネックレス」とか「音楽付きリストバンド」とか。
それはアートとしておもしろいなと思います。
ただし、現状のPLAY BUTTONではwavファイルが10分しか収録できず、音質の面で少し劣ります。
Ogg Vorbis(圧縮音源) 175kbpsでは約80分の収録が可能とのことです。
製造も基本的には法人向けのようで、
個人のお客様からのお取引依頼/ご注文にはお応え出来ない場合がございます。予めご了承下さい
とのこと。
気になる方は公式サイトから問い合わせてみて下さいね。
今ブームの「レコード」
CD以前のメディアだったレコードは近年ブームになっています。
特に海外では「レコードストアデイ」などが話題で、2014年にはジャックホワイトの「Lazaretto」がレコード史上最高の売り上げを記録するなど盛り上がりを見せました。
ジャケットが大きく、インテリアとして飾っておくにはうってつけ。
コレクション性が高い。
アナログ独特の音質も魅力の一つになっています。
ストリーミングで手軽に音楽が聞ける現代だからこそ、手間のかかるレコードがより音楽への集中を促し、深い音楽体験ができると評価されています。
このブームを受けてか、個人でもレコードを作って販売することが可能になってきました。
現状ではウルフパックとクラテスというサービスで製造できます。
こだわってモノラル録音するロックバンドがいたりしますが、そんな音楽性ならぜひリリースはアナログでしたいところですよね。
小さなパッケージが可愛い「カセットテープ」
アナログレコードと同じように、にわかにカセットテープも再評価されているそうです。
(アナログ感というよりも)「レトロ感」のあるパッケージが可愛いと若者にも高評価?
さすがにカセットテープ市場が今後拡大するとは思えませんが、ボカロPが先ほどのダウンロードカードとカセットテープを同梱した「アナログ+デジタルパッケージ」を販売するなど意外に活用されているようです。
オリジナルのカセットテープをパッケージをCDラジカセや家庭用プリンターを使って自作することもできますが、専門のプレス業者もあります。
こちらの専門業者は50本からの小ロットも対応しているそうなので、興味ある方はご覧ください。
CDの作り方や、デジタル音楽配信の方法
以上、CD以外のパッケージをご紹介しました!
今の時代、"あえて"音楽をパッケージで販売するには「物語」や「必然性」が必要である気がします。
例えば、古き良きロックンロールバンドがダウンロードカードでリリースしてもそれは何だか面白くない気がしますよね。
やっぱりレコードの方が似合いそうです。
逆にボカロPがレコードでリリースはしないでしょうw(斬新でおもしろいかもしれませんが)
ジャンルの問題だけでなく、深く自分の音楽表現に踏み込み、音楽の「届け方」までアートにする意識が大切になっています。
CDでもその他のパッケージ、いづれにしもても「ビジネス思考」でなく「アート思考」でのアイディアが必要だと思います。
ビジネス的に考えればパッケージ販売はなんだかんだで効率悪いでしょうしw
CDを作りたいという方はこちらの関連記事をご覧ください。
CDプレス会社や特殊ジャケットについて解説しています。
関連記事おすすめCDプレス会社4選とはじめての自主製作CDガイド
もちろん、同時に音楽配信をするのも全然アリです。
iTUNESやApple Music、Spotifyへの配信方法はこちらの関連記事へどうぞ。
関連記事iTunesやApple Musicで音楽を配信するには?9つのサービスを比較
参考になったらうれしいです。