音楽でも美術でも、アーティストがどんな家に住んでいるか気になりませんか?
家と言うのはお金の面でも人生への影響が大きいです。
毎月の家賃は大きな負担だし、買うにしてもそれは人生で一番の買い物になります。
また、アーティストならば創作場所にもなり、どんな家に住めばアート活動が加速するのかよくよく吟味しなければいけません。
家選びは人生選び。
アーティストのみならず、多くの人にっとてそう言っても過言ではないと思います。
たまたま『#カリグラシ』という本が気になり読んでみたら、そこにはアーティストたちの家が紹介されていました。
アーティストたちがどんな基準で家を選んでいるか?
なかなか興味深いですよ。
「通い好き」だから神戸に住むtofubeatsさん
『#カリグラシ』では多くの方の「住まい方」が紹介されていますが、とりわけ気になったのがtofubeatsさん。
学生時代からDJ・トラックメイカーとして活躍し、ネットを通じて作品の発表を続けています。
メジャーデビューした現在も、地元である神戸に拠点を構えています。
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そんなtofubeatsさんの神戸の家はというと、繁華街からは少し離れた場所にあるそうです。
その理由は自身が「通い好き」であるからだとか。
移動時間にはアーティストとしてこんな意味があるそうです。
学者の人が散歩をしながら何かを考えるって話がありますよね。
たぶんそれと同じで、ひとりで歩いてると頭がだまされるというか、そこで音楽を聞いたりするとすごく発見がある気がするんです。
1時間半とか2時間の通う時間が何にも邪魔されずに、じっくり音楽を楽しめる時間だってことに気づいたんですね。
だいたい、駅からすぐ家に着いたらリセットされないでしょ?
なるほど、実はこれって科学的にもそんなに根拠のある話じゃないんですよね。
歩くことで下半身の血流がよくなり、脳に血液が送られる。
結果、脳の動きが活発になり集中力がましたり、アイディアが出やすくなることは実際にあるそうです。
よくマンガでも人が悩むシーンでは、部屋の中をグルグル・ウロウロするじゃないですか?
それも同じ意味なんですって。
tofubeatsさんはそれをクリエイティブにとらえ、通い時間が生まれるような場所にあえて住んでいる。
う~む、アーティストっぽい。
他にも音楽活動する上で大切にしていることがあるそうです。
音を出すことを考えたら、最上階角部屋ということに自ずとなりますけど、日当たりも結構、考えているかもしれません。
僕が音楽をつくるのにかなり大事だと思っているのは、安定した精神が保てるかどうかだったりするので、日当たりの悪い部屋ははずれますね。
ミュージシャンって不健康がカッコイイっていうステレオタイプがあるのでこれは意外でした。
地元ということで、人間関係においても安定してそうですね。
神戸は東京へも3時間程度でいけるので、とても便利だそうです。
今後は世界的な活動をを見据えると、関西空港のそばに住むのか、東京に住むのが良いのか…なんて話も出ています。
やはりtofubetsさんは生粋のアーティスト。
音楽活動ありきで住まい方を決めているようです。
寺暮らしの陶芸作家!?四井雄大さん
非常にユニークな生活をしているのが陶芸作家の四井雄大さん。
なんとお寺に住んでいるそうです!
そのお寺は金沢の真福院というところで、普段は住職さんが在住してないのだとか。
大学卒業後、創作活動を続ける中で制作スペースが借りられなくなるタイミングがあり、そんなおりNPO法人アートグミを通じて寺に住む話が舞い込んできたらしいです。
四井さんがお寺に住む理由はとてもシンプル。
ズバリ、家賃の安さが魅力だそうです。
もはや実費しか払ってないんじゃないかぐらいの安さ(笑)。
それで、これだけの場所を好きにつかっていいぞ、と。
もうね、家賃じゃなくて、「ここに住まわせていただいてありがとうございます」っていうお寺へのお布施みたいなもんですよ。
僕、単純に荷物が膨大にあって、本堂にも作品が入った段ボールがいっぱいあるし、作品の原料なんかもあるし…。
だからアパートじゃ無理なんです。
ちゃんとした家を借りようと思うと、家賃ベースだったもっともっと田舎になる。
町の中で、広く場所が使えるこんな好条件、他にも見つからないんですよね。
切実ですね(笑)
しかし、他人事ではなく創作と生活のバランスをとるのに四苦八苦するアーティストは決して少なくありません。
たまたま、と言えばそれまでかもしれませんが、四井さんの自然な心がチャンスを引き寄せたのではないかと思います。
僕、これだけは自信あるんですけど、自分の選択によって掴んだ縁で僕がどうなろうと、飲み込める覚悟があるんです。
たとえば、あんまり芳しくないことが起きたとしても、「だってそれ、僕がえらんだことだからしょうがないかぁ」って(笑)。
結果を求めるんじゃなくて、目の前にある条件を余すところなく受け入れること。
だから、こうやって何かの縁で、人生の一部を真福院で住まわせていただいている。
これはもう、生きる目的のための修行の場なんだなって、そう思ってるんです。
ほんとに。
これはアーティストは胸に刻んでおきたい言葉です。
アーティストとはどうしても少数派の生き方。
社会的には決して恵まれた立場にありません。
時に世の中に対して恨みをもってしまうこともあるでしょう。
しかし愚痴っぽい人に決して幸運は巡ってきません。
誰も文句ばかり言う人と仕事をしたくないし、ましてや「住まわせてやろう!」なんて気になりませんよね?
もちろん、住職さんの「ここが、金沢で育つ若い芸術家の”トキワ荘”みたいな場所になれば」という広い懐が前提にあるのは間違いありませんが、四井さんの人生に対する責任感が幸運を引き寄せているのだと、ぼくは思います。
引っ越しは芸術だ!
『#カリグラシ』を読んでみると、住まい方とはそのまま生き方なんだぁと思います。
そしてアーティストにとっては生きる=創作ですから、引っ越しはもはや芸術活動の一部なのかもしれません。
かくゆうぼくもバンドマンとしてずっと音楽活動をしていますが、今の家に引っ越してからずっとずっと創作に集中できるようになりました。
家賃34,000円、1Kで風呂トイレ別という神物件!
新宿まで25分程度でつけますし。(最寄り駅まで徒歩20分だけどね!)
家賃の安さは生活におけるインパクトは抜群ですよ。
まさに値千金!
この家のおかげでぼくはアルバイトを辞めることができました。
もし今、みなさんが自分の活動がうまくいっていないとしたら家を見直すことからはじめたら良いかもしれません。
根本から自分の人生を問い直す音ができますよ。
『#カリグラシ』では12人の住まい方が読める!
『#カリグラシ』では今回ご紹介した2人以外にも、たくさんの「住まい方」の例を読むことができます。
- 夫婦も住んでるシェアハウス
- 血縁のないおばあちゃんと2人暮らしの若者
など、あなたの常識を良い意味で破壊する例がたくさん載っています。
人生が苦しい時は大概は選択肢がない時です。
『#カリグラシ』は色んな選択肢があると教えてくれて、自分の視野を広げてくれる良い本です。
ぜひ読んでみて下さい!