すっごい良い本を読んだのでご紹介します。
例えばミュージシャン、イラストレーター、マンガ家さんなど「自分でモノを創って売りたいクリエイター」のみなさんにおすすめの本です。
う~ん、マジで共感&参考の嵐でした。
『徹夜しないで人の2倍仕事をする技術』
マンガ家の三田紀房さんの本です。
三田さんは「ドラゴン桜」や「インベスターZ」などで知られる現役バリバリのマンガ家さんですね。
この本は三田さんの仕事の取り組み方や、心構えを書いた本になっています。
これを読んでぼくはとにかく正論だと思いました。
めちゃくちゃ名言が多いので一部紹介します!
先入観にとらわれるな
「マンガ 家 は 精神的 にも 体力 的 にも きつい 仕事」 という 先入観 が あっ て、 だから お 菓子 を 与え て ケア する とか、 耐え抜い た 人間 しか 成功 し ない とか、 妙 な 方向 に 考え が いっ て しまう。 そう では なく、 健康的 な 生活 環境 を 整え て あげれ ば、 自然 と 集中 し て 仕事 を する よう に なる。
三田さんの仕事場では徹夜が当たり前だったマンガ家の風習を撤廃して、9時半に出社、夕方には退勤というルーティーンにしたそうです。
するとアシスタントの病欠が減り、技術が蓄積され、増々仕事が早くなったとか。
コレ、昨今の社会的課題でもありますよねぇ。
ブラック企業のサービス残業が問題視されてはいるものの解決に乗り出している会社は意外と少ないかもしれません。
ともすれば、生産性を上げずにただただ仕事のクオリティが低くなるという悪循環になりかねません。
ぼくがやっているバンドでもそうだなぁと思います。
とにかく集団を動かすのは「付帯業務」が多い!
予定調整やメール対応など…。
それでなくても社会人バンドは2足のわらじで忙しいってのに!
個人的には音楽=クリエイティビティに直結しない要素はツールを利用して効率化したいと思っております。
関連記事:練習予定は忘れない!「リマインくん」がLINEしてくれるからね!
さらにバンド活動では常識とされている「べき論」も非常に多いですよね。
- SNSをするべき
- 音楽配信をするべき
- CDをつくるべき
- ライブをするべき
単なる情報があたかも「常識」のように溢れているのが今の世の中です。
やり方がわからない(機会損失)のは問題ですが、知識として知った上で取捨選択は必要です。
それが自分たちにとって本当に必要で大切なのかしっかり考えないと、何がなんだかわかんなくなってしまいますよね…。
見る前に跳べ
四 の 五 の 言わ ず、 ペン を 手 に 取れ ば いい の だ。 いくら 練習 を 重ね ても、 マンガ を 描か ない こと には 世間 は 何 の 評価 も し ない し、 そこ には 一銭 の 価値 も 生まれ ない。
30歳でという遅いデビューだった三田さん。
周囲からはそのことを大変驚かれるが、三田さんは何も特別なことと思っていない。
三田さん曰く、世間の人はクリエイターを特別視しすぎなのだとか。
その原因は「何かを始めるには練習が必要」という思い込みらしいです。
考えてみれば、作品を発表してはじめてフィードバックがあるんですもんね。
少なくともそれを仕事=お金を貰う、という行為に仕立て上げるにはユーザー(消費者)に届けないと始まらない。
ぼくは以前、スーパーで働いていたのですが商品品出しで一番ご法度なのが、いわゆる「ゼロる」こと。
陳列棚から商品がなくなることです。
これは「売り切れたヤッター!」ではなくて、ただただスペースの無駄遣いなんです。
そこに商品を置けば売れる可能性があるのを自ら捨てている状態。
今の時代、クリエイターにとっての「陳列棚」はネット上に無限にあります。
それもちょっとの工夫で誰かに見てもらうことができるんです。
ロックの世界には「見る前に跳べ」なんて言葉があります。
まさしく三田さんの言う「四の五の言わず、ペンを手に取れば良いのだ」と一緒です。
勇気をもって矢面に立ちましょう!
自分探しに意味はない
要するに、 早く 結果 を 出す こと が 大事 な ん だ。 あなた が 個性 を 探し て いる プロセス には、 誰 も 一円 も お金 を 払わ ない。
これは刺さるなぁ…。
特にバンドマン/アーティストは悩むんですよ。
「おれの唯一無二の個性ってなんだろう?」
悩んで…。
悩んで…。
悩みぬいて…!
そして、終わっていくという(笑)
残念ながら市場はクリエイターの作った創作物の評価によってのみ動きます。
悩んだ時間は音楽ファンには関係ないですからね。
おそらくその悩んだ時間で作品をつくり、それで1000円でも10000円でも稼いだ方がよっぽど道が開けてきます。
個性で悩むくらいなら「ベタな表現を恐れるな!」と三田さんは言います。
むしろ一部の天才をのぞいては、ベタを徹底的にやることでしか個性は見えてこないと。
なんかこう言われると、個性で悩んでいた自分が天才を気取っていたようで恥ずかしいですね(笑)
クリエイターを仕事にしたい人は必読!
その他にも、
- 面白い企画を支える「針の穴」理論
- 成功するには、あえて「空席」を狙え!
などおもしろい話がたくさんありました。
今、「クリエイター」はたくさんいますよね?
誰しもが気軽に作品を発表できる時代です。
その中でも創作物を売って報酬を得ることができる人は相変わらず極わずかです。
もしあなたが専業、副業問わずクリエイターを仕事にしたいのならば、市場評価に対して正直になり、勇気をもってチャレンジする必要があります。
『徹夜しないで人の2倍仕事をする技術』は正論ながらも、誰もが目をそむけたくなるその厳しい事実を切々と語る本でした。
だからそこそ本気のクリエイター一同にとっては福音となり得る良書です。
ぜひ、読んでみて下さい!