ミュージシャン/バンドマンのみなさんは「クラウドファンディング」をご存知ですか?
誰でもインターネットを通じて資金提供を呼び掛けることができるサービスです。
クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である(wikipediaより)
最近では芸能人やメジャーのアーティストも利用していて、ご存知の方も多いと思います。
コロナ禍の難しい状況の中で活用をはじめたアーティストとも多く、近年になって一気に知名度を上げたサービスと言えるでしょう。
音楽活動には少なくない費用が必要になります。
実力や構想があってもお金のせいでスタートできないというのは悲しいですよね…。
そんな問題を解決してくれるのがクラウドファンディング!というわけです。
この記事では、主なクラウドファンディングサービスと成功の秘訣をご紹介します!
音楽活動で使えるクラウドファンディング4選
Makuake(マクアケ)
手数料 20%(税込み)
Makuakeは2013年からサービスをスタートしており、日本のクラウドファンディングとしては老舗に位置するサービスです。
2023年までの10年間で、おおよそ33,000件のプロジェクトが掲載されました。
今回紹介するサービスの中では比較的に手数料は高いですが、拡散力や購買力はトップクラスと言えます。
プロジェクトから生まれた商品をオンラインで販売するMakuake Storeやオフラインで販売するMakuakeショップなど、販路の拡大にも寄与。
現在はデジタルガジェットに強いクラウドファンディングに見えますが、もともとはアメブロを運営しているサイバーエージェントの子会社ということもあり、エンタメジャンルにも強い歴史を持っています。
またMakuakeでは無料の資料請求ができます。(個人でも可)
他のクラウドファンディングと比較する際にも資料がテーブルに乗っているとスムーズですから、クラウドファンディング検討中の人は請求しておきましょう。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
手数料 0%〜17%
CAMPFIREは日本の大手クラウドファンディングサービス。
中でも「CAMPFIRE for Entertainment」は音楽はじめ、エンタメジャンルに特化したクラウドファンディングです。
通常のCAMPFIREと違うのは「ご協力費」を設定できること。
ご協力費はファンの支援で(CAMPFIREへの)手数料をまかなうようにできるシステムです。
例えばご協力費を17%にすると、ファンは17%上乗せで支援することになります。
アーティストにとってはありがたいシステムだと言えます。
もちろんファンの負担は増えるので、よく考えてご協力費の割合は設定すべきでしょう。
Readyfor(レディーフォー)
手数料 14%
Readyforは寄付型のクラウドファンディングに強いサービスです。
リターンの豪華さにかかわらず、社会的に意義があるプロジェクトが多く掲載されています。
よって音楽ジャンルでも地域性が強く、社会性の高いプロジェクトが多くなっています。
例えばインディーズバンドのCD制作よりも、地域のお祭的な音楽フェスの開催などが向いています。
MotionGallery(モーションギャラリー)
手数料 10%
モーションギャラリーも黎明期からサービスを続けているクラウドファンディングサービスです。
サービス開始当初から手数料が一律10%で変わっておらず、シンプルに利用できるのが強みです。
音楽ジャンルを見てもHiphopからVtuber、ロックバンドからアイドル、フェスからお祭りまで幅広くプロジェクトが掲載されいています。
クラウドファンディング成功のコツをCAMPFIRE代表の家入さんに聞いた
以前、コミュニティ運営の会社YADOKARIと家入一真さんのトークイベントに行ってきました。
今日もベッタラスタンド日本橋に来ました! pic.twitter.com/majsddzv58
— 星川崇 (@Soh_RundabanSP) 2017年2月23日
YADOKARIは「未来住まい方会議」というウェブメディアを中心にスモールハウス・モバイルハウスを元にした新しい生き方を提案している会社。
色々とためになる話を聴けたのですが、中でも「クラウドファンディング成功のコツ」と言える話があったので紹介しておきます!
何を隠そう、家入一真さんは日本最大手のクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」の代表ですからね!
その家入さんから出た話なので、なかなか信憑性が高いです。
それはクラウドファンディングにおける「3:3:3の法則」というもの。
「3:3:3」の法則でクラウドファンディングを成功に導く
家入さん曰く、成功するプロジェクトとは、
- 3割は身内からの支援
- 3割はソーシャルからの支援
- 3割はまったく知らない人からの支援
で成り立っているそうです。
まず最初の支援は家族や友人などの身内から。
それが目標金額の大体3割くらいになるそうです。
次に、ソーシャル上でつながりがあるフォロワーさんからの支援が3割ほど上積みされる。
最後にそれらの盛り上がりを見て、興味が沸いた人たちが支援してくれるのが3割だと。
この流れでプロジェクトは成功に導かれるらしいのです。
家入さんは「クラウドファンディングは絶対にお金が集まる魔法じゃない」と言います。
CAMPFIREはサクセス数も多いですが、もちろんその裏には数多くの失敗したプロジェクトがあるそうです。
ぼくがこの「3:3:3の法則」でポイントだと思うのは、やはり「身内の3割」の部分です。
ソーシャルでの口コミはプロジェクトを中心に同心円状に広がっていいきます。
最終的に円が大きく広がるために必要なのが、中心部の熱量の高さです。
中心で旗を振るプロジェクト主はもちろん、すぐとなりを囲む「身内」の熱量が成功へのファーストステップであるというのが、この「3:3:3の法則」から推測できます。
おそらくプロジェクトを失敗した人は、インターネットを通じてお金が集まるクラウドファンディングを魔法のように思って、「身内からの3割」をないがしろにしてしまったのではないでしょうか?
さらに確かな成功を掴むためには、「身内の人たちからどの程度の支援を受けれそうかな?」と考え、目標金額を逆算するのも良さそうです。
例えば、家族や友人に直接お願いして3万円ぐらい集められそうな実感があったら、目標金額を10万円にする。
つまるところクラウドファンディングは、インターネットを通じて普通は接することができない人たちに、目標の7割ほどの支援を受けられるプラットフォームと考えるのが現実的です。
10割をクラウドファンディングを通じてインターネットから集めるというのは難しいのが実情ですね。
もちろんプロジェクトの内容によっては、大きく話題となり8割9割と身内以外が占める割合が大きくなる「魔法」も確かに存在しているでしょう。
しかし初めからそれをアテにすることは難しい。
しっかりとクラウドファンディングを活用して、プロジェクト成功させたい人は「3:3:3の法則」、とりわけ「身内からの支援」重要性をよく覚えておいてください!
【余談】クラウドファンディングを使わずに資金をつのる方法もある
さてここまで音楽活動の資金を確保する方法としてクラウドファンディングを紹介してきましたが、実はそれ以外にも色んなサービスがあるんです。
あなたの活動によってはクラウドファンディングじゃない方が良い場合もあると思うので、合わせて紹介しておきます。
①コンテンツも販売できるnoteには「サポート」機能がある
noteという自分の音楽、文章、画像、動画などのコンテンツを無料で公開したり有料で販売したりできるサービスがあります。
noteには「このクリエイターをサポートする」というボタンがページに常設されており、支援者は自由に値段を設定してクリエイターを応援することができるんです。
また月額課金制のマガジンを作ることもでき、先のCAMPFIREコミュニティに近いような活動もできます。
「バリバリ音楽を作ってファンに届けたい!」という人にはnoteは向いていると思いますよ。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
関連記事noteを音楽活動で活用する方法!楽曲のダウロード販売もできます。
②自分でファンドをつくったまつきあゆむさんの例
ミュージシャンのまつきあゆむさんは『M.A.F』(Matsuki Ayumu Fund)という資金提供システムを自分で作ってしまいました!
※現在は停止中のようです
とは言っても、シンプルなシステムで銀行口座を公開したり、Paypalで応援を募っているだけです。
今でこそクラウドファンディングの概念は浸透してきましたが、『M.A.F』の発足は2010年。
当時としてはかなり先進的な試みでした。
『M.A.F』ような手段なら手数料もないですし、実はファンとアーティストが一番直接的につながれるシステムかもしれません。
まさに究極のクラウドファンディング!
⇒まつきあゆむ -ヘッドフォンリスナーズサイクリングクラブ-
その他のパトロンサービスもチェック
このように活動を支えてもらう目的で有料のファンクラブをつくれるサービスを「パトロンサービス」などと言ったります。
気軽に使えるものから、本格的なものまで、日本で使えるパトロンサービスをまとめましたので、参考にしてみてください。
関連記事日本で使えるパトロンサービス8選。手数料や特徴まとめ
クラウドファンディング以外の音楽で収益を上げる方法
音楽配信やCD配信、ライブコンサートなど当たり前に想像される「音楽の稼ぎ方」の他にも、いろんな方法で音楽アーティストとして生計を立てることが可能です。
主な方法論を別途、関連記事にてまとめてましたので合わせてチェックしててみてください。
合わせて読みたい音楽で稼ぐ9つの方法まとめ。アマチュアからプロまで