「ローリングストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大なアーチスト100選」の第27位に選ばれたプリンス。
2016年に彼のレコーディング・スタジオ「ペイズリー・パーク・スタジオ」の床に倒れたままの姿でこの世を去りました。
元々「音楽オタク」でひらめいたら即レコーディングするワーカホリックな彼ですので、命尽きるその最後まで作品を作っていたと思われます。
57歳の若さで他界。
彼が残した作品はオリジナル・アルバムが44枚。
ベストアルバムが6枚。
映画が3本です。
常に倉庫に未発表音源が5~600曲はあると言われているので、この先も音源がリリースされる可能性があります。
とにかく多産家の彼です。
リリース作品全てを聴くのも大変なので「どのアルバムを聴くとプリンスを手っ取り早く理解できるのか?」「おすすめ曲はどれか?」をプリンスに興味はあるけれど、何を聴いて良いか分からない方のために「入門用の5枚」とその「聴きどころ」をご紹介していきます!
プリンスのおすすめアルバム①:プリンス史上No.1の売上アルバム「Purple Rain」
1984年発表の自叙伝映画を自身で制作・主演を務め、撮影と並行しながらアルバムを完成させました。
当時はMTVが始まったばかりで、それと連動するようにこのアルバムから多くの曲がシングル・カットされ、いずれも大ヒットしていきます。
このアルバムの聴きどころはアルバムのB面である6~9曲目です。
『When Doves Cry』~『Purple Rain』までの流れは一曲も聞き逃し出来ません。
特に『I Would Die 4 U~Baby I’m a Star』の曲繋ぎとそのライブ・パフォーマンスは映画の見どころでもあり、MTVで何度も放送された部分です。
Prince - I Would Die 4 U (Official Music Video) (Live from Landover, MD - November 20, 1984)
Prince - Baby I'm A Star (Official Music Video) (Live from Landover, MD - November 20, 1984)
プリンスのおすすめアルバム②:頭の中がお花畑な『Around The World In A Day』
1985年にこの音作りが出来る事が驚きです!
プリンスは先に頭の中で曲が出来上がっていて、それを音で表現する作り方をすると言われています。
先に紹介した『Purple Rain』もそうですが、プリンスの音作りは常識に囚われず思うがままに音を組み立てています。
前アルバムの『When Doves Cry』ではベースが入っていません。
ドラムもLinnドラムというドラム・マシンです。
本作でもそういった常識に囚われない発想であらゆる音をサンプリングし、謎の音を散りばめながらアルバムは進行していきます。
このアルバム一枚で世界一周しちゃう様な世界中の音楽のエッセンスが散りばめられたアルバムです。
このアルバムの音世界に浸ると「脳みそがお花畑」になるようなトリップ感に襲われるので注意してください。
Around the World in a Day
プリンスのおすすめアルバム③:80年代プリンス・サウンド総括の2枚組79分のアルバム『Sign 'O' The Times』
アルバム『1999』以来の2枚組アルバムで、1987年のリリースです。
80年代のプリンスはこのアルバムで総括されます。
スタジオで一人で作った曲もあれば、アルバム『Purple Rain』同様にバンド一発録りに近いライブ感満載の楽曲もあります。
Funk,R&B,RockSoulと多彩なジャンルが盛り込まれ、飽きずにアルバムを通して聴くことが出来ます。
声のピッチを変えて歌う手法も『Housequake』『If I Was Your Girlfriend』で見られます。
ドラムマシンのリズムにギターを合わせRock,Funkしてしまうプリンスの凄さをこのアルバムの随所で感じる事が出来ます。
特におすすめはシーナ・イーストンとのデュエット曲『U Got The Look』です。
Prince - U Got The Look (Official Music Video)
プリンスのおすすめアルバム④:他の人がいる時は大音量で4曲目はかけられない『The Gold Experience』
1995年の作品です。
CD時代に入り1曲1曲の音質は格段に向上し、そのセクシャリティーにも磨きがかかり過ぎてヤバイ曲が多いです。
音楽のクオリティは物凄く高く、名曲も多数入ってるアルバムです。
1曲目は英語でも放送禁止な歌詞で、何をコントロールしているのか? 2曲目は日本のプロレス「K-1」の入場曲ですが快楽物質出まくりと言う曲です。
曲間にオペレーターのガイダンスがイチイチ入るのが「独特の世界観」があって良いです。
そして『Shhh』と言わなくちゃいけない場面でアノ声は他の人がいない所で聴いて下さい。
Prince - Endorphinmachine
プリンスのおすすめアルバム⑤:小売店直販の3枚で1枚分の価格『Lotusflow3/MPLSoUND/Elixer』
このアルバムは2009年にプリンスが小売店と直接販売契約し、3枚一組でCD1枚分の値段販売したアルバムです。
2000年代以降CD販売は全世界的に下火になり、音楽はMP3等の「データ形式」販売へ向かおうとしている時期でした。
プリンスは一早く自身のサイトからの販売を試みていた時期でもあり、このようにレコード会社を通さない販売方法を模索していていました。
『Lotusflow3』はライブアルバム? と思える程にプリンスのGuitarとバンドが自由にジャム・セッションしてまとめたような高度なライブ風アルバムです。
殆どシンセを使わない生音で、曲も良いですが、その演奏レベルの高さを楽しむ事が出来ます。
『MPLSoUND』はその先のアルバムを予見するような、プリンス一人制作のアルバムです。
ワザと80年代サウンドをリバイバルさせ、2010年頃からのブラック・ミュージック・シーンの流行りを先取りし、昨今のブルー・ノマーズ的アプローチを自身の音楽でやって見せたんだと思います。
アルバム『Elixer』は当時のプリンスの彼女? と言われた「リア・ヴァレンティ」のデビュー・アルバムの抱き合わせ販売です。
Prince - Crimson and Clover
以上、プリンスのおすすめアルバムを紹介してきました!
どれも魅力的ですので、ぜひ聞いてみて下さいね。
執筆:なー
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